自分で発表会をやろう                          ホームへ戻る 

 

−−−発表の機会のあまりない方、舞台での堅苦しい発表会は嫌な方へ−−−

 

 私は近くの楽器店の経営するヤマハ音楽教室に入りました。

 ここでは発表会を一度やっただけで、その後、3年間まったくやってくれませんでした。

 

仕方なく、自分の手作りでやってみようと考えました。

 

第一回の話です。(2003/03)

 

大きな問題点は、場所、人の確保、費用です。

 

まず、場所の確保

 

 いわゆるホールでの発表会は、高い舞台で演奏するのであがり易いものです。

そこでライブハウスとか喫茶店とかレストランを考えてみました。

 最初に、電話したのは、かなり有名なライブハウス−−−借りるだけで20万といわれ、

あっさりあきらめました。10件くらい、当たってみましたが、帯に短し襷に長しで「だめかなぁ」と

思っていたところ、一軒ありました。グランドピアノがあって貸し料はとらないが、

4時間で最低15万の売り上げを保障してくれるのであればOKとのこと。

 発表者の負担を、一人7、000円として10人で、7万円、残りはお客さんを4、000円として

20人で8万円と皮算用をしました。

一人当たり5000円で食事と飲み放題ということで、原価と負担分は決まりました。

 

発表者の確保

 

 これには苦労しました。人徳はないし、仕事上、人との付き合いは余りありません。

探すにもほとんど、ツテがない状態でした。

 まず、その当時習っていた先生にお願いして、何とか2名出てもらうようになりました。

次に、中学のサックスを吹く同級生のツテで、3名。この場合は「すごい偶然」という感じでした。

ある日、その同級生が、協力工場へ行った時、そこの事務所にピアノの楽譜が置いてあったので、

聞いてみたところ、「副社長がやっている。」とのこと。頼んでみたら二つ返事でOK。

仲間も一緒に参加してくれました。

 次に、義理の弟夫婦−−−これは拝み倒しました。

ここまでで、自分を入れて8名が確保できました。

 

 探している間にわかったことがひとつあります。

 それは、ピアノを弾く人は、結構いるのですが、発表会に出ようという人は、非常に少ないと

いうことです。「子供のときに失敗したので、二度と出たくない」、「下手だから恥ずかしい。」

「自分だけで楽しんでいればいい。」等という理由です。それが、自分より上手な人に多いのです。

私のように「メクラ、蛇に怖じず」という人間は意外といません。

(やはり、恐さを知っていると難しいのでしょう。)

 

 「気楽な会だから。」、「みんな間違うから心配しないで。」とか説得しても、なかなか首を縦に振りません。

 

 そんなわけで、この時点で赤字を覚悟しました。

 

お客さんの確保

 

 まぁ、なんとか、始めの段階で10名確保できました。

 残り10名がなかなか決まりません。このままだと、発表者とあわせて5万円以上の持ち出しです。

 

いろいろ悩んだ末に、当時クラス会の幹事をしていたので、クラス会を一緒にやったらどうかという

アイデアがひらめきました。最初に確保した10名のうち5名が同級生でしたから、こういうアイデアが

でてきたわけです。

 

 これは、大成功でした。すぐに10名が埋まり、それ以上の人数が集まりそうでした。

(ただ、サックスとベースからも会費を取ったので、ブーブーいわれましたが)

考えてみたら、「いい?音楽」が聞けて、4000円で飲み放題付でクラス会は安すぎる。

集まるはずです。

 

ドタキャン対策

 

 発表者もお客さんも、なんとか確保できました。

問題なのは、ドタキャンが出た場合です。

しかし、今回は、初めてでもあり、会費をあらかじめ取るなどの対策はしませんでした。

案の定、何人かは出ましたが、何とか、許容範囲で収まったので助かりました。

 

予定外の費用

 

 私のピアノの先生にも出てもらうことになり、その足代、食事代。

 ベースとサックスがいたので、やっぱりドラムが欲しいということになり、その分の食事代。

 何だかんだで、3万円ほどの赤字になりました。

 

プログラムの印刷

 

 少し厚手の色のついたA4の紙を買ってきて、それにエクセルで原稿を作って印刷。

面倒なので、色は黒で単色、絵も写真もなし。

 問題だったのが、出演者がなかなか曲を決めてくれなかったこと。あるいはその曲の

作曲者などを、ちっとも連絡してくれなかったこと。

 順番を決めるのに苦労しました。最後には、籤でこちらが勝手に決めました。

 がっかりしたのが、発表会が終わった後、そのプログラムがほとんど放置してあったこと。

 

発表会のネーミング

 

 いい名前がなくて、悩みました。

ぎりぎりで決めた名前が「自分のための発表会」

誰のためでもない、自分がうまくなるためにやるんだ、という意味です。

 

 最後に−−−−

 

 好きでやっているといわれるとそれまでですが、ご覧の通り、主催者は目に見えないところで

結構、苦労しているものです。

 オフ会など、小さな発表会に出られるときは、ぜひ、主催者にその労苦をねぎらってあげてください。

それだけで十分報われるものです。

 

 

 第二回

 

第一回に続いて、半年後に開催しました。

今回もピアノの先生に頼んで、3名ほどお願いしました。

店もやり方もほぼ同じ、発表者も同じくらいでした。

 

 今回は、発表者、6000円、聞く人5,000円で設定しました。

アンケートをとったところ、若い人から、値段が高いという回答があって驚きました。

 普通、ヤマハで発表会をする場合、飲食なしで、10,000円が相場だと思っていましたから

こんな、回答があるとは思っていなかったので。

 

第三回(2004/6)

 

ピアノの先生が、演奏する人を集めるのが、かなりしんどいのでということで、そちらのツテは

ありませんでした。

 

 今回から、他で自分たちで会を作っている人たちが5人ほど入ってきました。女性ばかりですが

かなり年季の入ったグループです。人数も増えましたが、いっぺんにレベルが上がってしまいました。

 

場所は、ライブハウスですが、場所貸しをしてくれるところを見つけました。4時間で42,000円。

だから、演奏者3,000円、聞く人1,000円で済みました。

持込もOKということで、会員が高いお酒を持ってきてくれました。

あの酒は、うまかった。

 

先に書いた、新入会のグループですが、以前からの会員に、どうやったら上手になるか、おせっかいを焼いて

その会員が怒ってしまったので、辞めてもらいました。

 レベルの差が、あまりにありすぎるといけないのかも知れません。でも、やはり大人同士ですから、その人が

教えて欲しいといってきたならともかく、そうでない場合は黙っていたいものです。

会員が増えると起こりがちなことです。

 そこで、方針として、まとまったグループは勧誘しない、あくまで一本釣りでいくといいうことにしました。

そして、会員が増えなければ、徹底的に安いところを探すということで、一致しました。

 

第四回(2004/11)

 

前回と同じライブハウスです。

「デコ弾き」始まる。

 

第五回(2005/6)

 

  第三回で決めた方針がすぐ崩れました。

たまには、いいピアノで弾きたいと、みんなが言い出したので、じゃぁ、ヤマハホールでということになりました。

借り賃は、8万円ほど。16人集まれば、5000円で済むということで決定しました。

 問題になったのが、調律。こちら側が素人だったため起きた問題ですが、4時間の約束で借りていたのに

そのうち、二時間が調律に取られると言ってきたのです。幸い交渉して、完全な調律ではないということを承知

させられ、少し前から調律をしてもらい、何とか30分の食い込みで収めました。

 お客さんは広くて無料だったこともあり、入れ替わり立ち代わり100人ほど見えました。

 

 第六回(2005/12)

 

 少しジャジーな喫茶店で。

 ピアノがアップライトで、音量が小さかった。下のカバーも全部はずしてみたが、だめだった。

奥に長い店で、演奏者が真ん中に来て、半分以上の人が演奏者をみることができなかった。

座席も狭く、トイレへ行くにも結構苦労した。一度奥へ入り込んだら、なかなか出られなかった。

 食事も全部入れて、会費は5000円。これは問題なかったが、やはりある程度の広さがないと。

 

第七回(2006/6)

 

 オペラ歌手が個人で練習用に運営している小さなホール。

ピアノはヤマハのフルコンがあって問題なし。椅子、机も完備。演奏者も正面から見えていい感じ。

残念ながら、少し狭い。また飲食が禁止なので、ちょっとホールでの演奏のようにかしこまってしまう。

楽器も無いので、ピアノ以外はすべて持ち込み。結構大変だった。

ただし、非常に安く上がりました。一人1500円。その後、練習会用には何度も使用する。

ただ、最近は知れ渡って、なかなか予約が取れないそうだ。

 

第八回(2006/12)

 

  以前と同じ場所貸しをしてくれるライブハウス。2名が遠路はるばる参加してくれました。

今回は、1時から5時まで、貸切で持ち込みOK。会費5000円。(演奏者が多かったので

1000円の返金ができて4000円で済む。)

 

 また、会員からのおいしいお酒の差し入れがあり、みんな喜んでいた。

5時からは、忘年会を兼ねた反省会。飲み放題で会費3000円。

店を移動する必要が無く、また、反省会の途中でも、楽器を弾くことができたので、すごく楽しめた。

(われながら、いいアイデアだったと思っている。)

 

 今後は、このような形式で進めていくことになると思う。

演奏順はくじ引き、プログラムは作らず、当日演奏者に書いてもらう。

プログラムがぶつかったとしても、文句を言わない。

ぶつかりたくない人は、はじめから掲示板に書いてもらう。

 ともかく、主催者の負担を徹底的に減らした、完全手抜きの発表会だった。

それでも、店との打ち合わせがあったり、譜面台が壊れていたので作ったり、

持込品を買ったりと手間はかかった。

楽器を運ぶのに車を出してもらったりもあった。今後はこれが課題だ。

 もし、この店に固定できれば、打ち合わせなどは不要になるので、会員のわがままは一切聞かずに

ここに決めたいと思う。他でやりたければ、その人にすべてをやってもらう・・・。

 

収容人数は、いっぱい詰め込めば50人、演奏者とお客さんで40人位来てくれたので、盛況だった。

今後もし、演奏者が増えたら、お客さんを減らさなくては!

 

 

 

続く

 

ホームへ戻る