初見の練習方法(これは私のように、大人から始めて初見が全くできない人を対象としています。)

 

  どうしたら、初見ができるようになるか、考えあぐねて先生に聞いたところ、

「こうしてみたら?」といわれて、やってみた結果がよかったので紹介します。

  それは、自分の知っている曲を使うことです。「そんなものは初見ではない」とお叱りが飛んでくるかも

知れませんが、大人の場合は、この方法でないとむずかしいと思います。

 

  まず、知っている曲の、簡単な楽譜を用意します。これは例えば、童謡、小、中学校で習った歌、

あるいは自分の好きな歌、アニソンでもいいと思います。(最初は、ともかく簡単なものを選んでください。)

  それを弾いてみます。知っている曲だから、楽譜を見ても手も足も出ないということはありません。

(ただし、初見の規則は守ります。−−−20秒から30秒間、じっくり譜面も見ます。何拍子か、何調か、

どの音に♯、♭がつくか、速度記号等、楽譜に書いてあることは全部)

 

  そして、速度記号は無視してゆっくり弾き始めます。(本当にゆっくりと)楽譜の上段も下段もちゃんと

音を見て弾きます。なかなか難しいとは思いますが、できるだけ鍵盤を見ないで弾きます。

難しいところは(私は)飛ばします。

 

  この方法で、約2ヶ月間、1日10分から15分、やってみました。長くやると集中力がなくなるので、

この位の時間が適当です。

  その結果、少しずつですが、楽譜を読むということが苦にならなくなってきました。

例えば、以前にやった曲を、弾こうと思ったときに、楽譜を読むのが大変だから、間違っても

それを直すことをしなかった私にとっては、素晴らしい進歩です。

 

  加線が多いところはまだまだですが、少なくとも上下段の五線譜に入る音は、サッと読めるようになりました。

まだ上段と下段を同時に読むことはできていませんが、別々に両方を読んで演奏ができるように

なりました。そして、これまでは、弾いているところだけしか、見られなかったものが、とりあえず

次の小節の頭まで見ることができるようになりました。

 

知っている曲を弾くメリットは?

 

  とっつきやすい。弾いていて楽しい。間違ったらすぐにわかる。リズムを考えなくともいい。

 

以上、お試し下さい。

 

本当の初見は、やはり知らない曲を弾くことだとおもいますが、そこへいく前段階とお考え下さい。

 

 

−−−参考までに、前の先生のところでやった初見練習−−−

  ハノンを使って、ドミファソラソファミ、レファソラシラソファと全部口に出して言って、次には

後ろからとか、縦にとか読むように言われ、いくらがんばってもできませんでした。(残念ですが、

いやで仕方が無かった。)しかもそれをメトロノームに合わせて、1ページを1分半でできるように練習

しなさいといわれました。当然挫折しました。

 

そのために、初見をあきらめ、楽譜恐怖症、拒否症(少し大げさですが)に陥りました。

 

今から考えると、ハノンを使った練習法とはなんだったのかと、疑問を持たざるを得ません。

音大へ行く人を対象にした練習法なのか。でも今の先生は、そんな練習法は聞いたことがないといいますし。

それに耐えられる人は、いいのですが、私には苦痛以外の何者でもありませんでした。